VERVE COFFEE JAPANは1日あたり約353万人も利用する新宿駅に日本1号店をオープンしました。
店頭では年間約50種類以上のシングルオリジンを取り揃えており、年間にして全店で約5万杯のドリップコーヒーを提供しています。
VERVEのシングルオリジンはこちらから
高品質なクオリティを維持する為に、VERVE COFFEEではドリップコーヒーに関する知識や淹れ方において様々なトレーニングをクリアしたバリスタのみがコーヒーを提供しています。トレーニングでは、どのバリスタが淹れてもブレのない一定のレシピに基づいて行われます。
このレシピは、JHDC(ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ)2018優勝者の深浦バリスタ監修のもと作成されています。
<参考記事> JHDCチャンピオン深浦哲也~What’s your VERVE?#4~
今回は、自宅でドリップコーヒーを楽しみたい、美味しい淹れ方が知りたい方のために、日頃店頭でお作りしているVERVE COFFEEのレシピを公開します。
<参照記事>【バリスタ直伝】アイスコーヒーの作り方
淹れる人による味のブレ方が少ないよう考案されているため、初心者の方でもご自宅で美味しいドリップコーヒーをお楽しみいただけます。
本記事では、ドリップコーヒーの基本的な淹れ方の手順に加え、深浦バリスタによる淹れ方のコツやポイントも含めて解説していきます。
ドリップコーヒーの人気の淹れ方「ハンドドリップ」
ハンドドリップとは、コーヒー専門店から各家庭まで、日本で最も親しまれているドリップコーヒーの淹れ方です。コーヒーには粉にお湯を通す透過式と、粉をお湯につけておく浸漬式という2通りの淹れ方があります。ハンドドリップは透過式にあたり、ドリッパー内の粉にお湯を通すことで液体を抽出します。
コーヒーマシーンに比べて、自分で淹れるのは難しそうと思われる方もいらっしゃるかもしれません。VERVEのハンドドリップのレシピでは、高いクオリティを保ちつつ最大限シンプルな方法で、淹れ方によるブレが少ない再現性の高さを実現しているため、あまりドリップコーヒーを淹れたことがない方にも楽しんで頂けるレシピです。
ドリップコーヒーのレシピ
VERVE COFFEEが実際に店頭で提供しているレシピをご紹介します。
ドリップコーヒーを淹れる際に必要なものは、大きく8つです。
・コーヒー豆20g
・お湯320g
・ケトル
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
・サーバー
・タイマー
・スケール
①コーヒー豆
挽20gのコーヒー豆を準備しましょう。基本的に1:16(コーヒー豆:お湯)の比率で抽出します。き方はコーヒー豆にもよりますが、中細挽きが目安です。
(POINT)
コーヒー豆はお店で挽いてもらったほうが良い?
自宅にあるミルの性能にもよりますが、ボタン一つで刃が回り続けるタイプのものは豆が均一な大きさの粉にならないので避けたほうが良いです。コーヒー専門店で使用しているプロ用のグラインダーは均一に挽くことができるので、できるだけお店で挽いてもらうとブレが少ないです。
グラインダーでドリップコーヒーの味わいはかなり変化するので、もしハンドドリップがうまく淹れられないなと悩んでいたらぜひお店で挽いてもらってみてください。VERVEでも購入していただいたコーヒー豆を無料でお挽きできます。
ONLINE SHOPで購入していただいたコーヒー豆もお挽きできます
②お湯
20gのコーヒー豆に対し、その16倍である320gのお湯を準備します。この時の温度は90℃前後がベストです。
実際の細かい温度は挽き目との相性にもよります。挽き目が細かい粉に対して熱いお湯を使用すると過抽出(成分を抽出しすぎている状態のこと。後味にえぐみ・渋みが感じられて、濃度が濃くなったり苦味が強くなったりする傾向がある)になりがちです。
逆にぬるすぎるお湯を使用しても未抽出(成分を抽出しきれていない状態のこと。渋みが感じられ、濃度が薄くなったり酸味が強くなる傾向がある)になってしまいます。
(POINT)
淹れる水の種類は?
軟らかい水のほうがクリーンな味わいになりやすいので軟水がおすすめです。
水道水の場合、浄水器で一度フィルターし沸騰させたものが望ましいです。
③ケトル
お湯を注ぐためのケトルを準備します。淹れ方にもよりますが、この時使用するケトルは、出来るだけ注ぎ口が細いものを準備してください。ハンドドリップは透過式の抽出方法なので、お湯を注ぐタイミングや量をコントロールすることが味を決める重要なポイントとなります。
お湯を沸かすタイプの電気ケトルだと飲み口が広い場合もあり調節が難しいため、美味しいドリップコーヒーを淹れるためにも細口のケトルがおすすめです。
④ドリッパー
美味しいドリップコーヒーを淹れる際に重要なポイントの1つがドリッパー選びです。
ドリッパーにフィルターと粉をセットし、お湯を通すことでコーヒーの液体が出来上がります。この出来上がる液体がどれくらいのスピードでサーバーに落ちていくのかによってドリップコーヒーの味わいも変化します。ドリッパーはいわば濾し器のような働きをしており、種類によって様々な特徴があります。
(POINT)
ドリッパーはどのような目的別で使い分けるべき?
一般的に、ドリッパーの違い=お湯の抜けるスピードの違いです。
コーヒーの粉がお湯に触れている時間が長いか短いかによって味わいが変化します。スピードが速ければ、粉に触れている時間も短くなるのでさっぱりとした味わいになりますし、逆に遅いとしっかりとした味わいになります。
初心者におすすめなドリッパーは?
初心者の方は特に、淹れ方によるブレが少ない、お湯の抜けが早くないものを選ぶといいです。VERVEで使用しているカリタウェーブはある程度お湯が溜まるタイプでありながら、3つの穴が空いているためコーヒーの粉とお湯を適度に触れさせることができおすすめです。
カリタウェーブドリッパーはこちらから
一時期トレンドになったORIGAMIは、淹れ方によって幅が広がるため味を変化できるのが特徴です。ただ、慣れないうちはブレやすくもなるので、様々な方法でドリップコーヒーを楽しみたい上級者向けのドリッパーです。慣れてきたらぜひ、皆さんのお好みのドリッパーを探してみてください。
⑤ペーパーフィルター
ペーパーフィルターは、ドリップコーヒーを抽出する際にコーヒーの粉がサーバーに落ちないように使用します。フィルターにも様々な種類がありますが、ペーパーフィルターがもっともポピュラーでスーパーなどでも手に入りやすいです。
フィルターを選ぶ際に重要なのは、台形のカリタのドリッパーには台形のフィルター、逆に円錐のハリオには円錐のフィルターといったように、フィルターとドリッパーは同じ形状のものを選ぶことです。
カリタウェーブに最適なフィルターはこちらから
⑥サーバー
ドリップコーヒーは高温のお湯を使用するので、必ず耐熱式のサーバーを準備してください。VERVEのレシピでは、出来上がったコーヒーを最後にサーバーごと撹拌させるので液体に対して少し余裕をもたせた大きさがベストですが、ご自宅の場合ドリッパーからそのままお好きなマグカップに注いでも問題ありません。
VERVEで使用しているサーバーはこちらから
⑦タイマー
VERVEのレシピでは、時間ごとにお湯を注ぐ量を決めています。VERVEで使用しているように、タイマー付きのスケールが使いやすくおすすめですが、携帯のタイマー等でも大丈夫です。
⑧スケール
コーヒー豆とお湯の1:16の比率を守るためにも、スケールは必須です。VERVEではタイマー付きのacaiaのスケールを使用していますが、ご自宅にあるキッチン用のスケールで代用できます。
ドリップコーヒーの淹れ方
準備が完了したら、いよいよドリップコーヒーの淹れ方をみていきましょう。
コツやポイントを交えながら基本的な手順を説明します。
セット
まず、90℃前後に温めたお湯でドリッパーとペーパーフィルターに湯通しをします。湯通しの目的は以下の3点です。湯通ししたお湯はドリッパーとサーバーを逆さにし取り除いでください。
・ペーパーフィルターをドリッパーに張り付かせることで土台を安定させ、その後のお湯が注ぎやすくする
・1投目のお湯をペーパーに吸われず、全てコーヒー豆の抽出に行き届くようにする
・ペーパーフィルターの紙臭さを消す(紙臭いペーパーを湯通しせず使用すると、最終的に出来上がるドリップコーヒーの味わいにも影響してきます)
(POINT)
お湯である理由は?
ドリッパーを温めると、コーヒーの抽出効率が上がるためです。
基本的に、ドリッパー内の温度が高く保たれたほうが味が出やすい傾向があります。
湯通しを終えたら、挽いたコーヒー豆をフィルターにセットします。
この際、コーヒーの粉はできるだけ平らになるようにドリッパーを軽く振って整えてください。
エスプレッソのタンピングが曲がっているとお湯の通りが不安定になるのと同じで、ドリッパー内で粉を平らにすることでお湯の通りを均一にする目的があります。場所によって抽出に差が生じると。最終的に出来上がる味わいにも影響するため、この時点で粉量を均等にしておきます。
蒸らし
セットを終えたら、40gのお湯を内側から外側に円を描くように注ぎ、30秒待ちます。お湯を注ぐタイミングと同時に、タイマーをスタートしてください。
1投目の最大の目的はコーヒー豆に含まれる余分な「ガス抜き」です。
ガスは粉とお湯が触れ合う邪魔をしてしまい、抽出の妨げとなります。肉を焼くと肉汁が出てくるように、コーヒー豆も焙煎すると中の水分が抜けていきます。その際にコーヒー豆の内部にスポンジのような空洞ができ、そこに二酸化炭素ガスがたまる仕組みです。
蒸らしをした場合としない場合では出来上がるドリップコーヒーの味わいはかなり異なるので、ガスが多い豆に関してはこの一投目でしっかりガス抜きをしてあげると、二投目に成分がでやすくなります。
(POINT)
蒸らしで重要なのはゆっくりと注ぐことです。
あまり勢いよく注いでしまうと、勢いに伴ってガスがお湯をはじいてしまい、味がぼやけてしまいます。お湯を粉全体に触れさせる意識で、やさしく注いでいくようにしましょう。
2投目
30秒が経過したら、160gまでお湯を注いでいきます。
2投目では豆の成分を一気に移動させる目的があるため、他の段階よりも多くの湯量を使用します。フレーバーの強い濃い液体は前半に出てきやすいため、この2投目のタイミングでしっかり撹拌を行うのがベストです。
(POINT)
よく撹拌させる際にスプーンを使用する場合もありますが、VERVEのレシピでは多くの湯量でしっかりかき混ぜるため、特に必要はありません。
3投目
1分が経過したら、次は240gまでお湯を注ぎます。
前半でしっかりとたフレーバーが含まれる濃度の高い液体を抽出しているため、逆に後半は悪い要素が出やすくなります。3-4投目は、気持ち優しく注いで、ドリッパー内にお湯を溜めるようにして雑味を抑え、質感をゆっくり引き出すイメージです。
湯量も2投目より少ないため、ケトルから出るお湯は細い線をイメージします。
4投目
1分30秒が経過したら、最後の80gを注ぎ入れ、全体を320gにします。4投目も3投目と同じように、余計な雑味を出さずゆっくり優しく注ぎ入れましょう
落ちきり
4投目を注ぎ終えたら、ドリッパー内のお湯がサーバー内に落ちきるのを待ちます。
落ちきりの目安は約2分30秒~3分の間ですが、写真のように(写真の落ちきりは3分42秒)焙煎度合いやエイジングによって時間は変わるので、最終的にはテイストで判断して大丈夫です。
落ちきりを確認したら、サーバー内に出来上がった液体をくるくると撹拌させ、お好みのカップに移し替えたら完成です。
プロの淹れ方で美味しいドリップコーヒーを楽しもう
ドリップコーヒーの淹れ方はシンプルですが、使用する器具や淹れる人によっても様々な違いや楽しみ方があります。
今回は誰が入れてもブレのない、安定した淹れ方を公開していますが、慣れてきたらコーヒー豆に合わせた抽出や気になる器具を使用し、思い思いの理想の形を探してみてください。
ぜひ、あなただけの1杯に出会えますように。よいコーヒーブレイクをお楽しみください!
ドリップコーヒーと相性のいいコーヒー豆はこちらから
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